第5章 飼育*
すぐにやって来た便意に体が縮こまり、何度もトイレに行きたいと訴えたが全く聞き入れてもらえない。
それどころか、飛んできた残酷な声に希望をチリチリに焼かれた。
「トイレ行きたいなら、簡単なゲームやろうぜ〜、だってさ。」
「ゲーム…?」
「そうそう。賢哉を射精させたら沙里ちゃんの勝ちでトイレに行けるってやつ。」
何でもないような顔で律人は言うが、普通に考えればとんでもない提案だ。
沙里は急に青ざめ、首を横に何度も振る。
「いや…っ!そんな、酷い、っ!」
「おい…」
グルグルと嫌に音を立てるお腹を押さえ、沙里はベッドから逃げ出そうとする。
しかし賢哉に脚を掴まれて引き戻され、呆気なく逃走劇は幕を閉じた。
「逃げちゃダメでしょー。もしゲームをしないって言うんなら、写真、拡散しちゃうよ?」
「…!!!」
「どう?やる?やるでしょ?」
ベッドに身を乗り出して尋ねて来る律人に、純粋な女子大生は頷くしかなかった。
のっそりと起き上がり、痛みに歪んだ顔を賢哉に向け、細々とした声で喋りかける。
「…どうすれば、いいん、ですか…」
「…どうしてもいい。」
感情の起伏は一切見受けられず、終始真顔で受け答えする賢哉。
まるでサイボーグ人間のようだ。
人任せな回答に沙里は狼狽えながら、声を振り絞る。
「…ん…脚、広げて、ください……」
悶絶しそうな腹の鈍痛に耐え、沙里は気力だけで意識を保つ。
震える指先で賢哉のジーンズに手をかけ、金具を拙い動きで取り外し、下着ごと下にずらした。
「…!」