第4章 「フラップ・フラップ」
ミツル君の治療を途中まで終わった後、
私はナナさんとハチさんと一緒にエレベーターに乗ると
ゼロツーが待ち構えていたかの様に待っていた。
「確かに叫竜は殲滅すべきだ、だからといって独断専行をしていい訳では無い。」
「あの程度の叫竜、あそこまでの力を出す必要は無かった筈よ
それによって此方は1人失うところだった。」
ナナさんは真面目にそう言うが、ゼロツーは興味が無いように
エレベーターの外をずっと見つめていた。
「僕は、ダーリンとゼロさえ居ればここに用は無いよ。
他はどうせ直ぐに全滅しちゃうだろうし…」
「ゼロツー…」
「ゼロツー、所属は違えど彼らは貴方と同じフランクスに乗る仲間なのよ。」
「仲間、何それ?弱っちい奴らなんか幾ら居ても邪魔なだけだよ。」
「イレギュラーな部隊ではあるが、高い適正値を持つ者から選ばれた高いパラサイト達だ。」
「ふぅーん…あれで?」
「そう感じるのは、君が特別だからだ。」
ハチさんがそう言うと、ゼロツーはその言葉が嫌だったのか
彼を思いっきり睨みつけた
「それって、僕が人間じゃないって言いたいの?」
「あくまで能力的な話だ、それに016をストレリチアに乗せる許可は恐らく出ない。」
「どういう事?」
「さっき本部から通達が来たの、貴方には前征に戻ってもらう」
ナナさんはゼロツーに、前の都市に戻ってもらうように言った
彼女にも13都市以外に守らなければならない場所があると、
パパ達は伝えたかったのかもしれない…
「……ゼロ、ダーリンにはこの事はまだ言わないで」
「うん、…分かった。」
少し悲しそうな顔をしたゼロツーを見て、
本当にヒロが好きなんだなと改めて分かった__________