第15章 「まものと王子様」
私は、何者なんだろう__________
あの頃の私は、そんな事さえ考えもしなかった…
物心ついた時にはもうそこに閉じ込められていた。
もっと古い記憶もあった気がするけれど、
直ぐに忘れてしまった。
これは何かわからない、
多分母親という者の代わりだったのだろう…
ある日、
彼女は1度だけ食事でない物を持ってきてくれた
それは【絵本】だった__________
めくる度目に飛び込んでくる
明るい色、色々な形
文字も書いてあったけれど、
何て書いてあるのかは分からなかった。
そして彼女は、
その日を堺に二度と現れなかった____________
ともかく、
もうこれは私の初めての綺麗な物…
綺麗な物はきっと外の世界にある
その時の私は無邪気に信じ込む…
そして、それは半分当たっていて半分違ってた。
僕は、何者なんだろう___________
その頃の僕は、そんな事ばかり考えていた…
物心ついた時には、ガーデンに居た。
僕らはパパ達の為に戦うパラサイトになるべく、
ここで暮らしていた________________
コドモは、皆CODEナンバーで呼ばれていた。
ナンバーが若い方がパラサイトとして素質は高い…
099までの2桁組、その中でも10番台は更に優遇されていた
僕もその1人で、
他の皆とは違う特別なコドモだと言われていた_____________