第28章 新しい選択
篠原
「…そっか…」
私は篠原さんに子供を亡くしてしまったこと、
連絡が取れず1人で見送ったこと…
そして…
日頃の寂しさと退さんへの不満をぶちまけてしまった。
佐藤
「……」
篠原
「…もう泣くなって……」
佐藤
「……ッ……」
篠原さんは足元に転がる石を適当に拾いあげ、
私に背を向け川に投げ入れていく。
"ポチャン……ポチャン……"
佐藤
「………」
篠原
「…あー、腹立つな…
俺が欲しくて仕方がなかった女(ひと)を娶っておきながら…
泣かせやがって…本当に腹が立つ。
俺、監察なんかやめて美奈と一緒に雲隠れでもしようかなー。」
佐藤
「…篠原さん……」