第1章 合同面接
【山崎視点】
さっき飲みものを遠慮した美奈さんの為に、
合同面接が終わった頃を見計らい冷たい飲み物を差し入れる為に来たのに、結局…渡せなかった。
おまけにうっかり口を滑らせ副長直々に"切腹"を命じられる始末…
まぁ、これは副長の毎度の脅しだから良いけど、
今は彼女の事が気がかりでたまらない…
"やればできる子"なのに緊張とかしてガチガチになっているに違いない。
山崎
「…大丈夫かな…」
実は朝から監察騒動員で面接希望者を美奈さんのように
駅から屯所まで…自宅から屯所までと迎えに出払っていた。
一応…面接だけじゃ見えてこない"人柄"を確認する為と…
敵と内通していないか微妙な所を観察する為だ。
ちょっとやり過ぎ感はあるけれど、
内通者を採用したとなれば大変な事になるから女中だとしても、
仲間となる面接希望者を調べる事に関してはきちんとしなくてはいけない。
それに…美奈さんみたく上手く面接では話せないけど、
仕事ができる奴がたまにいるからだ。
俺が美奈さんをみた感じ…印象なら…
きっと仕事は出来る…ただコミュ障なんだろうという感じで、
俺は連れてきた女中希望の中から、副長には彼女を"オススメ"しておいた。
なるようにしかならないけど…
ペットボトルを掴んでいる手に自然に力が入る。
【山崎視点終わり】