第6章 砂城
その道中…
伊東さんとすれ違った。
佐藤
「………」
伊東
「……残念だよ、美奈さん…」
伊東さんは不気味な笑顔を浮かべて話しかけてきた。
(…もしかして!!)
佐藤
「伊東さん!!待ってください!!!」
隊士
「静かにしな!美奈さん!!」
私を牢に連れて行くために横にいた隊士さんに、
注意をされてしまった。
佐藤
「…ッ……」
あの顔…
家族に手を出したかも…いやこれから出すつもりの顔に見えた。
隊士
「俺たちも…佐藤さんが、
こんな事をするわけはないって思ってるんだ…
今は苦しいかもしれないが、さっきの星野の証言もあるから
今は耐えてくれな…」
私は下を向いた。
毎日一生懸命磨いている板張りの床が冷たくそこにある…
(女中になんて…ならなければ良かった……)