第6章 誘惑
先輩はもう許してくれたのだろうか…
けれどそう安堵したのも束の間。
「せっかくだから…お互いエッチな妄想しながらオナニーしない?」
不意に彼女がそんな事を言ってきた。
「例えば…私が松崎くんとセックスしてるところとか」
「なっ…」
何を言い出すのかと思えば…そんな妄想絶対にしたくない。
「ふふ…顔に"嫌だ"って書いてあるよ?」
「だ、だって…」
「忘れたの?これはお仕置きだって事」
「……、」
そう言って彼女は四つん這いになり、こちらへお尻を突き出してくる。
そしてまた見せつけるように自慰を始めた。
「ぁっ…ん、松崎くん…」
「…!」
聞こえてきたのは俺じゃない別の男の名前。
彼女は気持ち良さそうに指を抜き差しさせながら何度もその名を呼ぶ。
「ほら…半田くんも想像してみて?私が半田くん以外の男の子に、後ろから激しく犯されてるところ」
「っ…」
「…早く」
「……、」
そんな惨めな妄想なんてしたくないはずなのに、俺の意思とは反対に勝手に動き出す手。
先輩があんな軽薄そうな男に犯される…?
そんな事絶対に許せなかったが、一度動き出した手はスピードを上げ止まる事を知らない。
(先輩が松崎に犯されて…あんなエッチな声を上げてよがって……)
こんな妄想をさせるなんて、彼女は本当に酷い人だ。
今も他の男の名を口にしながら気持ち良さそうに自慰を続けている。
やっぱり俺は先輩にとって、ただの性欲処理の道具でしかないのだろうか…?
そう思うと余計惨めで泣けてくる。
「…嫌がってた割にはもうすぐイきそうじゃない?」
一度手を止めた彼女が口元に笑みを浮かべながらそう言ってきた。
「…興奮しちゃった?私が松崎くんとHするとこ想像して」
「ち、ちが…」
「でも松崎くんてH上手そうだよね」
「……、」
「半田くんと違って結構遊んでそうだし…。ひょっとしたら半田くんより私の事気持ち良くしてくれるかも」
「ッ…!」
その言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かが切れた。
彼女の腰を乱暴に掴み、その柔らかい太腿の間に怒張した自分のモノを突っ込む。
「っ…、半田くん!?」
突然の事に驚く彼女。
本当はその秘部に突っ込んでしまいたかったが、僅かに残っている理性が何とか俺を押し止めた。
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