第14章 #14
「待ってくれ親父!まだ話したい事がいっぱいあるんだ!」
八神に引き止められても哲也は去る。
現実で生きているかどうかはわからない。
恵子は煙草を吸うのをやめて八神を宥める。
八神の父親がヤクザなのは、学校では名前だけが知っている。
名前は情報を人に話さない。
名前の話す相手が八神の他に、家族くらいしかいないからだ。
「智久…ごめん…詳しい事教えてなくて。許して。」
「過ぎた事だからいいよ。おふくろは何も悪くない。
完全に親父のこと誤解していた。」
名前と付き合っている事を、ずっと哲也に話したいと思っていた。
夢を通して会いに来てくれたのかもしれない。
八神は目を覚ます。