第7章 #07
名前は通学路にいた。
名前にしては珍しく遅い時間で登校している。
後ろから八神の声がした。八神はいつもギリギリだ。
間に合えばいいと思っている。
「名前!おはよう~!」
「きゃっ!?」
名前は八神に笑顔で後ろから抱きつかれ驚いて振り向く。
幸い周りには人がいなかった。
名前は安心できる状態ではない。
八神に服越しに乳房を鷲掴みにし、名前の胸を揉みしだく。
「や…八神さん。びっくりしました。
というか後ろから抱き付いて、胸揉まないでください。」
「いいじゃん。誰も見てないよ。」
八神は名前の胸を揉むのをやめて、首筋に顔をくっつけて甘える。
「名前。ラ○ンで言ったんだけど、ノート見せて。」
「今渡しますから…はい。」
名前は鞄からノートを出す。
八神は名前からノートを受け取る。
名前の隣で歩き始めた。
「そういえば今日は一時間目体育でしたっけ。」
「名前は出るの?」
「できれば出たくないです…。
体育だと男と女に別れますから八神さんと離れちゃいますね。」
寂しそうにする名前。八神とはいじめっ子を退けたいから
できるだけ一緒にいたいと思っている。
名前の心には八神が本気で好きと言う気持ちがあった。
自分だけに優しくてくれる八神に心惹かれていたのだ。
八神は体育に出たいが、名前が気になって仕方がない状態だ。学校が見える。
「あ…もう学校に着きましたよ。
そろそろ一時間目始まってしまいます。
急いで着替えないと。」
「そうだな。とりあえず形だけでも授業出るフリするか。」
「はい。」
名前と八神は早歩きで静かな校庭に入り、
校舎へと歩いて行った。