第1章 #01
1.
本日は晴天なり。よく腫れていて空はとても青い。雲ひとつない。名前は一時間目をサボって屋上にいた。
新学期が始まった頃で桜が満開で日差しが心地いい。
名前の大好きな町全体を見渡せる。此処にいると落ち着く。名前は深呼吸をした。
名前の外見は言うほど良くない。自分評価で十人並み以下と言ったところだろう。
とにかく自分に自信がない。
「んーーーっ。いい眺め。」
景色を見て上機嫌になって笑う。最近ストレスが溜まっている。
ムラムラとストレスで頭がいっぱいになった。名前は辺りを見渡す。
不良のたまり場と化すから立ち入り禁止になってる屋上に、入り浸っている人間なんて名前とあの美形な不良くらいだ。
名前は辺りを警戒する。扉の周りにある壁に寄り掛かって制服のスカートを捲り上げる。
名前の自慰姿なんか見てしまっても誰が得するんだって感じだ。
名前は開き直ってショーツの中に手を入れ陰核を押し込み撫で回す。
「誰も見てないね。はじめるよ。んはっ…はぁ…っぁ…。」
名前は涎から口を垂らして喘いでいる。だらしないしはしたないと思う。
クラスの人達に見られたらどんな目で見られるんだろう。
「くっ…ふっ…はっ…はっ…。」
息を荒くしている。
名前が露出自慰に夢中になってるとドスの利いた声がした。
「…おい。」
「…っ!!」
声のほうを振り返った瞬間達してしまう。
目鼻立ちがハッキリしている端正な顔立ち。パッと見、欧米人とのハーフに見違える長身で細身の優男である。
同じクラスの美形の不良、赤い長髪の少年八神だった。前からあった学園闘争が八神の降臨により終焉を迎えた。
此処はかつて不良たちの溜まり場兼喧嘩会場になっていた。
怒っていた生活指導の先生から、屋上立ち入り禁止令が出たので彼の勝利となる。彼以外の不良が来なくなった。
名前は八神の恩恵を受けて入り浸っているだけだ。八神は煙草を口に咥えてこちらを睨んでくる。
屋上に平凡が紛れ込んでることに怒っている。
煙草を唇から外してコンクリートに放り投げる。上履きで踏みつぶして煙草の火を消す。
「同じクラスの名前じゃねぇか。此処がどこだかわかってんのか。」
八神は名前の顔の近くまで詰め寄る。