第1章 不毛なる片思い
「ねぇねぇ…
もうすぐさ…バレンタイン…だよね?
今年こそ渡したいなぁ…
でもチョコなんて
きっとたくさんもらうから
もらって…ねぇ…?」
はぁ…また始まった…(笑)
「そうやなぁ…
あいつ甘いもん好きちゃうし…
チョコもいらんやろ…?」
俺がこう言うと
決まってあかねは…
「はぁ?
亮ちゃんは女心を何も解ってない!!
女子にとってバレンタインは
すごく大切な日なんだよ?
チョコをあげる=大切な気持ちを伝えるって
ことで…
それを…いらんやろ…?って
一番言っちゃいかん言葉でしょうが!?」
なんて鼻息荒く怒り
俺の背中を勢いよくバシリと叩き…
あまり痛さに
「いった…(涙)!!
お前はそうなんですぐに
手が出んねん…?
自分を女子や言うんなら
少しは女らしくしろや!!」
そう文句を言う俺に
「だって亮ちゃんだよ…?
私が女子になる必要がないじゃん(笑)」
なんて失礼きわまりない言葉を
遠慮なく吐き出し
豪快にけらけらと笑うんや…