第21章 I am coward
『ウソだなんて言わないで…』
くるみの震える声に、理性が音を立てて崩壊した。
首筋の噛み跡が消えていくのを見たくなくて、もう一度強く噛み付く。
抱きしめ その体はやっぱり小さくて…
どうしようもなく不安になった。
「臆病者」は相も変わらず、腹の中でムクリ、頭をもたげている。
けれどそれ以上の愛情と、執着が
融合して、依存という名前に変わろうとしていた。
抱きしめられたくるみは、目をチカチカと瞬いたが
その小さな手を爆豪の背中に回し
キュッと抱きしめる。
「…それは…ウソじゃねぇ」
『…ぅ、ん』
「離してやろうと思ったのに、クソかよ」
『うん…』
「もう絶対に離してやらねぇからな…」
『うん……』
くるみのまつげから滲み出た涙が、爆豪の胸元を濡らした。
そっと持ち上げられた唇が重なる。
どうしようもなく愚かで
どうしようもなく愛しくて
あいしてる、
さみしい、
くるしい、
あいしてる。
こいつの幸せだとか、周りの目だとか、オメガとかベータとか、男とか女とか
そんなものが全てどうでもよくなるほど
ただ好きで。
どうしようもなく好きで。
それを伝えるすべが、これ以上のものがないから抱くのだろう
引きちぎるように衣類を剥ぎ取って
ベッドに押し込んだ。
狭い部屋の中、小さなベッドの上
散らばった焦がしキャラメル色の巻き毛が愛しい
細くて真っ白な喉元に口付けを落とすと
くるみの頬にまた涙がこぼれた。
腰をやわやわ撫でながら落下していく両手の平
スカートが床に軽い音を立てて落ちた。
膝を開き、桃色の秘部に舌を這わせる。
『あっ……』
髪の毛をクシャり掴まれた
快楽から逃げようとクネる腰を押さえつける。
NO.1ヒーローになる以外、何もいらなかった俺を
どうしようもなく好きにさせた罰だ