第2章 アイシテイルカラナカセタイ
グッタリとして半分意識を失っているような虎徹さんを背中からギュッと抱き締めて横たわる。
「ねえ……虎徹さん?」
「んーーー……?」
「僕は今夜、スポンサーのお嬢さんとバーに居たハズなんですけど
どうしてこうなっているんでしょう?」
「あー……それはなァ………」
疲れきって舌足らずな口調だったけど、それでも虎徹さんがちゃんと説明してくれたおかげで僕は漸くこの状況を把握する事が出来た。
「ハア……そういう事ですか。
これからは女性相手でも気を付けないと……」
「そーだぞォ……
バニーを欲しがるヤツは一杯いるんだから……」
「フフ……
僕を守ってくれて、ありがとうございます。」
背後から虎徹さんのこめかみにチュッとキスをすると……
「……守った…っていうかさ……」
何故か虎徹さんは身体を縮ませてピローに顔を埋める。
「……何ですか?」
「…………………。
オレが……イヤだったんだ。
だって、バニーは………オレだけの……」
「………………ッ!」
表情は見えないけど、虎徹さんの耳は真っ赤になってて………
貴方って人は……本当に、もう!
僕の下半身がまた反応しちゃってますよ。
「ね……虎徹さん。
もう1回………」
「だッーーーー!
無理ッ!絶対に無理ッ!」
虎徹さんはジタバタと藻掻いてから、消え入りそうな声で囁いた。
「このまま……
バニーの腕ン中で……寝たい。」
………それもまた、随分な殺し文句なんですけどね。
「分かりました。
今夜はもう一緒に眠りましょう。」
僕がクスクスと笑いながらそう言うと……
「ん……
おやすみ…バニー。」
スグに虎徹さんの規則正しい寝息が聞こえ始める。
だから僕はもう一度虎徹さんのこめかみにキスをしてから、柔らかで心地好い微睡みに落ちていった。
「おやすみなさい、my precious……」