第15章 8月 II
特に会話のないまま到着してしまい、アリスはカバンから鍵を取り出す。
火神と青峰はお互いどうするのか探り合っていた。
「腹減った、なんか食わせろよ。」
先に口を開いたのは青峰だった。
それを聞いたアリスは何か作れる材料はあったかな、と冷蔵庫の中身を思い出していた。
「飯なら俺も手伝ってやるよ。」
お前には出来ないだろ、と火神は得意げに言う。
なら決まりね、とアリスは玄関を開けた。
「Welcome back!My dear daughter♡」
(おかえり!)
中から飛び出してきたスーツ姿の中年男性がアリスを思い切り抱きしめた。
『Dad!When did you come back?』
(パパ!いつ帰ってきたの?)
「It was a while ago. I wanted to see you!」
(ついさっきだよ、会いたかったぞ!)
まさかの父親の帰国に、火神と青峰は固まってしまっていた。