第2章 4月
まぁ、もう会う事もないだろうと思いながらアリスは手際よく片付けを続けた。
勝つには勝ったが課題が浮き彫りになった。練習試合としては最高の結果だ。
アリスのおかげで雑務は残っておらず、スムーズに帰路につけた。
『勝ったのに嬉しそうじゃないね?』
スマホを手に何か考え込んでいる黒子にアリスは声をかけた。
「そんな事ない、わけないかもしれません。」
それってどっちなの?とアリスは笑った。
「黄瀬君がアリスさんの連絡先を教えて欲しいと言っています。」
黒子はそう言うとスマホ画面をアリスに向けた。
黒子っち〜お願いっス〜!の文字が並んでいるメッセージアプリにアリスは苦笑いを浮かべた。