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君と僕とが主人公LS

第15章 8月 II


宿題合宿もいよいよ佳境。正解しているかは別として、しっかり答えの書き込まれたテキストが積み重なった。
残す所は作文のみ。
しかし、火神とアリスにとってはこれが一番の難題だった。
黒子の協力もあり、だいぶ日本語(漢字)は読める様になってきたが、書くとなると話は別。
それっぽい形の絵文字の様なものを描くのが精一杯。


『あーもう、これ英語じゃダメなのかなぁ。』


珍しく火神よりも先にアリスがペンを投げた。
相当苦手なのだろう、ちょっと、と席を立つ。
アリスがリビングを出て行ってしまい、置かれていた彼女のスマホが鳴り出す。
その音に二人の集中も途切れてしまった。
無視していれば鳴り止むだろうと思ったが、なかなか止まらない。
火神はイライラし始めていた。


「もしもし?」


出ちまうのかよ!と黒子の行動に火神は驚いた。


「テツ?!」

「お久しぶりです、青峰君。」


だから出たのか、と火神はこのあとどうなるのか面白がっている。
青峰はアリスだと思ってかけてきたはず、なのに出たのは黒子。
驚いているのか、慌てているのか、青峰が今どうしているのか考えただけで面白くなってしまう。


「あんでお前が出んだよ!」

「煩かったので。」


冷静に事実を淡々と答えている黒子に、火神は声を出して笑い出してしまった。
それは電話の向こう側にも聞こえた様で、「火神もいんのかよ!」と青峰の不機嫌極まりない声がした。


『あれ、どうかした?』


ジュースを手に戻ってきたアリスに黒子は彼女のスマホを差し出した。


「すみません。煩かったので出ちゃいました。」


普通だったら勝手に電話に出るなんて、と怒る所だが何故か黒子が相手だとそう出来ない。
テーブルにジュースを置いたアリスはスマホを受け取ると部屋を出て行く。


『もしもし?』

「なんでテツと火神がいんだよ!」


何でって、寧ろこちらが『何でそんなに怒って電話してきているのか』とアリスは笑う。


『宿題を一緒にやってたの。それよりこの前の約束、いつにしようか。』


きっと桃井から手紙を受け取って連絡してきてくれたのだろう。
アリスの方はあの日、桃井から青峰の連絡先を先に聞いていた。
だから着信時に「青峰大輝」の文字が光り、黒子はそれに出たのだ。
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