第12章 7月 II
アリスは急かす事なく彼が話し出すのを待っていた。
しかし、沈黙を破ったのは甲高い電子音。
黒子のスマホが着信を知らせている。
「もしも、「おい、テツ!!」…青峰君。」
隣にいるだけなのに聞こえてしまう声に、アリスはどうしたものかと戸惑う。
「お前、今どこで何してやがる!!」
「どこって。海合宿中です。」
「そりゃどこの海だって聞いてんだよ!」
あっちに行ってるね、とジェスチャーで伝えてアリスは黒子から離れた。
しばらくして、なんだかとても疲れた表情の黒子が戻ってきた。
『大丈夫?』
「ダメです、青峰君がアリスさんの水着写真を送って来いとしつこくて。」
『私の?』
「そうしないと今からここに来ると言うので、仕方なく。」
送る約束してしまいました、と黒子は項垂れた。
だから明日、一枚撮らせてほしいと黒子は頭を下げた。