第62章 新 8月 Ⅲ
それに仮に自分が圧倒的なパフォーマンスで負かしてしまったとしても、今の仲間達がバスケを辞めてしまったり、彼等のプレイスタイルを変えてしまったりする原因にはならないだろうという安心感。
「倒す決意と仲間への信頼がトリガーになったという事なら確かに、今まで入れなかった理由も納得出来ますね。」
『練習ではそこまで強く『倒すぞ!』って思わないじゃない?まぁ、負けたくもないから手を抜く事なんで絶対にしないけど。』
「んだよ、それ。」
だから私の場合、その意思に多少の憎悪みたいな感情もあるのかもしれないね、とアリスはどこか悲しげな表情を浮かべた。