第58章 新 7月
家に戻ってシャワーを済ませ、ベッドにもぐるとすぐに睡魔がやってきた。
「そんなに気になるなら電話してみたらいいじゃない!」
「はぁ?気にしてなんかねぇよ!」
してるじゃない!と勝ち試合だったのにどこか苛立っているような青峰を茶化す様に桃井は言った。
てっきりインターハイの会場で会えるだろうと思っていた彼女の姿はなく、その上誠凜は自分達と当たる前に敗退してしまった。
「強がっちゃってさ!」
そんなに気にして次の試合に集中出来ませんでした、では済まないんだからね?と桃井はスマホをグイッと青峰に差し出した。
渋々それを受け取った青峰は、仕方なく言われるままにそれを操作する。
しかし、何回か呼び出し音が流れてもアリスは出る事は無かった。