第57章 新 6月 Ⅲ
インターハイ出場が決まった。
晴れやかな気分で登校しいつもと同じ朝練をこなし教室へと向かう。
降旗と一緒に廊下を歩いていたアリスの表情も明るい。
「あ!アリスちゃん!」
『おはよう!って、どうしたの?』
教室に入るやいなや、クラスメイトの女子達が一斉に二人を取り囲んだ。
インターハイ出場を知って祝ってくれるのだろうか、と降旗と顔を見合わせはにかみ笑顔を浮かべる。
「どうしたのって、こっちの台詞よ!」
上手くやったじゃん!と喜んでくれているには違いないのだろうが、なんだか二人の考えている事とは違う事をみんなは喜んでいる様な雰囲気だ。
ちょっと、ちょっと待って、とアリスは二人よりも何かにどんどん盛り上がっていくクラスメイト達に戸惑う。
「アリス!」
『タイガ?!』
「降旗君、アリスさん!」
ついさっきまで一緒に練習に励んでいた火神と黒子が慌てた顔で飛び込んできた。
黒子の手には最新号の月刊バスケットボール。
それにはインターハイ出場校が決まったと言う記事が掲載されているだろう。
そんなに大慌てするような予想外の代表校が入ってきたのだろうか。
「アリス!お前が載ってんだよ、これ!」
『え?』
これです、と黒子はそれを広げた。
そこにはドドーンとキラッキラの表情の黄瀬がフルカラーページで特集を組まれていた。
流石はキセキの世代のプレイヤーでファッションモデル。
バスケに興味がない彼のファンにはモデルとして以外の彼の姿に、黄色い声を上げるだろう。
流石涼太、と他人事だとその記事を見ているアリスの隣で、インタビュー記事へと目を向けていた降旗の表情がどんどん強張っていく。
「アリスちゃん、これ…。」
黒子はそっと次のページをめくった。
『!!!』
一流天才プレイヤーはプライベートでの交友関係も一流!お相手もバスケのサラブレッド!と書かれており、後姿で顔は写ってはいないが、そこに掲載されていたのは仲良く黄瀬と手を繋いで歩くアリスの写真だったのだ。
しかもインタビューの中で恋人の有無を聞かれている黄瀬は、「大切に想っている人がいます」と答えており、それがこの子だと言う様な記事のレイアウトになっていたのだ。
『なに、これ…!』