第54章 新 5月 Ⅴ
『私もゴメン。青峰君は青峰君なのにね。』
「まぁ、俺は俺だな。」
『うん!そうだね!』
今更何を言っているんだ?と眉を歪めた青峰に、アリスはクスクス笑う。
何がおかしいんだよ、と気まずそうに呟く青峰に、彼女はおかしいのではなく、嬉しいのだと言った。
また、自分も心から楽しんでバスケが出来ている今が、そのチャンスを作ってくれた仲間達がいる事が嬉しいのだと彼女は言った。
『それに青峰君が一番だよ。』
「は?」
『青峰君とするのが一番楽しい!』
アリスはそう言うと甘える様に青峰に寄りかかった。
彼女の突然の行動に青峰は固まってしまう。
フワリと香る彼女愛用の制汗剤の匂いに鼻をくすぐられ、息をする事すら上手く出来ない様な気がした。
『青峰君、ずっと変わらないでね。』
こんなに誰かを好きだと思ったのは初めてだ。
「なら、これからは俺とバスケしろよ。」
言われたアリスは溢れんばかりの笑みで頷いた。