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君と僕とが主人公LS

第6章 6月


戻されたテスト結果。
なんとか火神も赤点を免れ、インターハイ決勝リーグに向けての練習にも堂々と参加できる事になった。
あとは個人的に勝負をしていたアリスとの決着だ。


『「せーの!」』


バン!と机に広げられる総合成績の順位表。


「アリスさんの勝ちです。」


判定は公正に、と二人の成績を最初に確認したのは黒子だった。
マジかよ!と再度それを食い入るように見る火神と、勝者の余裕だと踏ん反りかえるアリス。


「で。どーすんだ?」


なんの話?と惚けるアリスに火神は渋々嫌々ながらも言った。
「負けたら何でも言うことを聞くんだろ」と。
そんな約束までしていたんですか、と黒子は笑う。
あの時は口論になり、カーッとなったこと以外は正直ほとんど覚えていない。
けれど「なんでも」なんて言葉を聞いたらアリスが大人しくしているはずがない。


『どうせタイガ、しばらく安静だろ?』


オーバーワークで疲労が足にきている事にあのカントクが気が付かないわけがない。


「僕達とは別メニュー組まれてますよね。」

「まぁ、な。」


安静にとは言われてないが、バスケはまだやるなとキツく言われている。
ちなみに黒子達は、市民プールを使用しての水中基礎訓練メニューが組まれているらしい。
暑くなり始めたこの時期のプールは気持ち良さそうだが、きっとそれは楽しいものでは無いだろう。
ポケットの中で震えだしたスマホには、噂をすればの人物からのメッセージが届いていた。
メッセージ内容は「火神の監視を頼みたい」。
その程度ならお手伝の範囲だろう、せっかくだからこれを「なんでも」にしようとアリスは考えていた。


『私もプール行きたいから、水着!あと、夏服も少し買いたいから荷物持ちでどう?』


仕方ないな、と言いながらどこか嬉しそうに見える火神に、「それ、本当に罰ですか?」と黒子は突っ込む。
じゃあ2号の散歩も追加しようか、とアリスはクスクス笑う。
黒子の見つけた仔犬、テツヤ2号。
誠凛バスケ部で世話をする、と決めたらしいが夜はアリスが連れて帰っている。
あからさまに嫌そうな顔をした火神に、アリスと黒子は顔を見合わせて笑った。


『決まりだね!』


三人で仲良く教室を後にした。
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