第42章 2月
面倒だなぁ、とぼやきながらも自分はいくつチョコを用意したらいいのか、数を数え始めたアリス。
「いいかアリス、みんなとと一緒じゃなく、自分の好きな男には特別なチョコを渡すんだ。」
『…いないときは?』
「いないのか?」
みんな同じ様に好きなんだけどなぁ…と零すのを聞いた黒尾は、乾いた笑いを漏らしていた。
2月13日、日曜日。
気持ちよく眠っていたアリスを起こしたのは桃井だった。
「アリスちゃん、助けてぇ!」
また青峰が何かトラブルでも起こしたのだろうかと慌てて起きたはいいが、話を聞いていくウチに、それが直接の原因ではないとわかった。
黒子に渡そうとチョコを作っているのを知った青峰に、なんだかんだと邪魔をされ気が付いたら前日になってしまったらしい。
「前にアリスちゃんケーキ作ってたじゃない!だから…。」
『うん、一応ね。』
「お願い、一緒にチョコ作って!」
特別な用事もなく、今日はバスケ部の練習もない。
それに数少ない同性の友人からの頼みとあっては断れない。
自分も作った事はないが、これだけ世の中がヴァレンタインだ、チョコレートだと盛り上がっている今ならば、インターネットで検索すればすぐにレシピが出るだろう。
『いいよ、やろう!』
「じゃあ材料は買って行くね!」
桃井の嬉しそうな声に、アリスも嬉しくなってしまう。
黒尾のレクチャーも思い出し、折角だから自分も日頃仲良くしているバスケ部のみんなに何か作ろうかと言う気持ちが生まれる。
そうと決まればメッセージカードも作らなきゃ、とスマホを置いたアリスは机の引き出しを開けた。