第39章 新年 1月
年越し恒例の歌番組を見て、色とりどりの着物を着た芸人達が新ネタを披露するお笑い番組を見て、いつもよりも豪華な食事をする。
朝から晩まで酔っていても誰にも文句を言われることもない。
「いいなぁ、日本の正月は最高だな!」
『…パパ達、もういい加減にしたら?』
「いいじゃねぇか、正月なんだし。」
如月家のリビングにコタツが設置され、大の男が三人、そこに寝そべっている。
日本の正月はこうやって過ごすものだ、と言い張った父親ズに最初こそ反対していた火神だったがコタツの魔力に落ちたらしい。
彼もすっかりコタツの虜になってしまっている。
『ウインターカップに優勝して気が緩んでる!』
「三が日は練習もねぇし、いいだろ?」
こうしていると、ロスでの暮らしを思い出す。
共有リビングはいつもこんな感じだった。
普通ではないのはわかっているが、アリスにとっては父親が二人いる様なこの普通ではない感じが普通の家族だ。
『ちゃんと片付けしてね!私、もう出掛けるんだから。』
「どっか行くのか?」
「初詣に行く約束してるんだよな、ダイキ達と。」
さつきちゃんと!と克哉の言葉を訂正したアリスだったが、彼の言う通り、彼女が行くなら青峰も一緒に付いてくる事は安易に想像が出来る。
「俺も行く。」
『え?』
「初詣!」
あんなに言っても動く気など微塵もないという態度をとっていたくせに、とアリスは呆れ顔。
行くと決めたからには、とコタツから出た火神は勝手知ったる他人の家、洗面所へと身支度を整えに向かう。
家を出た二人が向かったのは桃井の家。
「アリスちゃん、かがみん!あけおめー!」
しかし、目的の場所に着く前に桃井と合流する事が出来た。
『あけおめー!』
「じゃあ行こう!」
アリスの手を取り桃井が向かったのは神社ではなかった。
「…新年早々にお前の顔まで見なきゃならねぇなんて、今年は厄年か?」
「っぅるせぇ!来たくて来たんじゃねぇっての!」
「なら帰れ!」
「断るっ!アリスを置いて帰れねぇし。」
青峰家の玄関先で繰り広げられる言い争い。
晴れ着を着せてもらう!と桃井とアリスは青峰の母と一緒にキャッキャしている。
「大輝!みっともないから外でやんなさい!」