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君と僕とが主人公LS

第36章 WC II


二回戦、三回戦、と誠凛は勝ち進んでいた。
そして迎えた準々決勝。
鉄壁の守りの陽泉高校相手に第1クオーターは誠凛は無得点。


「凄いなぁ!本当に彼は高校生?」

『キセキの世代って言うらしいよ。ほら、黒子君とか青峰君とか。涼太もそうなんだって。』


観客席にいながら、目立つ長身の中年男。
どこかのスカウトか?と彼の周囲の人達が騒めく。


「あぁ、確か夏に見た彼等か。」

『夏?』


パパ、どこかで見たの?と不思議そうな顔をしたアリスはパァンっと表情を変えた。
大きな父親の向こう側に、見知った顔を見つけたのだ。


『さつきちゃん、青峰君!』

「アリスちゃん!」


駆け寄って来たアリスとキャッキャと挨拶をする桃井に、昨日も一緒だったじゃないか、と青峰は溜息をこぼす。
そして彼女の後ろ、克哉に小さく頭を下げた。
それに気が付いた桃井は、あ!と克哉の顔を見て驚く。
克哉は口に指を当てて「しーっ」とジェスチャーで合図をすると桃井にウインクをした。
昔、近所に住んでいた元大学バスケのエース。
彼がアリスの父親だったなんて、と桃井は今まで不思議だった物が一気に解けたと表情を明るくした。


「おや。あれはタツヤじゃないか?」

『…うん。』

「へぇ、彼もこっちに帰っていたのか。」


幼馴染が一堂に集まってるってわけか、とどこか浮かない表情のアリスを他所に克哉はニコニコと試合を見ていた。
火神に氷室、青峰に桃井。
アリスは忘れてしまっている子供の頃の事も含めて、今、この会場には彼女がバスケを初めてから今までの事を繋いで共有出来る幼馴染が揃っている。


「そうとうやんぞ、あの12番。」


興味無さげに見ていた青峰の目付きが変わった。
その言葉通り、全く手出し出来ないままに氷室はシュートを決めたのだ。


『タツヤは変わらないなぁ。』

「あぁ、変わらないなぁ。」


滑らかな動き、完璧なフェイク、そして彼の打つミラージュシュート。
その完成度は上がっているが、そもそものプレイスタイルは変わっていない。


「なぁ、アリス。お前、あの12番知ってんのか?」

『うん、タツヤ。氷室タツヤだよ、タイガと私の兄みたいな人。』


アメリカに行ってから知り合ったバスケ仲間だよな、と克哉が補足した。
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