第33章 クリスマス イヴ
マジっスか!と喜ぶ黄瀬に「その代わり来たら広告モデルしてもらおう」と親父達は笑った。
自分が今、とても親しくしている友人と父親がこうも楽しそうに話しているとアリスも自然に笑顔になる。
「ダイキもそのうち来るだろ?」
「俺、英語わかんねぇーしなぁ。」
「アリスかタイガと一緒に来れば問題ないよ。」
克哉の言葉に俺は嫌だからな、と火神は先に言った。
そのうち、はたぶんまだまだ先の事になるだろうがバスケをやっているからには、いつかは本場でプレイしてみたいと思うものだ。
『なら青峰君が行くときは通訳は私だね。』
「青峰っちばっかズルいっス!俺の時もアリスっちがいい!」
『じゃあ三人で行く?』
たわいも無い「いつか」の話で盛り上がる。
「There are many rivals taiga。」
(大我、ライバルが多いな)
「Leave me alone.」
(ほっとけ)
父親にひやかされ、火神はますます不貞腐れる。
思いもよらない面子で過ごすクリスマスイブの夜。
こうなるとわかっていたら、黒子も誘えばよかったなとアリスは思っていた。