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君と僕とが主人公LS

第33章 クリスマス イヴ


クリスマス会が出来ればいいね、となんとなく言ってしまった自分の言葉が突き刺さる。
誠凛のみんなはウインターカップの観戦に、その後火神はアレックスと練習する事になった、と言っていた。
黒子はどうするのだろうか、とパーティの用意をしようと克哉に誘われたアリスは、彼に電話をする。


「僕もちょっと用事があります。」

『そっか。じゃあ仕方ないね。』


今はクリスマス会だなんてはしゃいでいる場合ではないことぐらいわかっていた。
けれど、やっぱり残念な気持ちになってしまう。


「でも、アリスさんにも一緒に来て欲しいです。」

『私?』

「はい、出来れば動ける格好で。」


昨日、桐皇とあれだけ激しい試合をしたばかりだというのに黒子もまだ練習をするつもりらしい。
電話を切って出掛ける支度を始めたアリスを見て、克哉は少し寂しそうに笑った。


「せっかくのイヴなのに。本当にバスケが好きなんだな。」

『そうみたい。夕飯には帰るからパーティしようね!』


アリスはそう言うとイヤホンを耳に繋ぎ、2号を連れて外へと飛び出して行ってしまう。
黒子との待ち合わせ場所まで軽くランニングしながら向かった。
不思議とその足は軽かった。


「なっ?!」

『青峰君!』


どうしてここに?とお互いの目が言っている。
昨日の今日で、正直どんな顔をしたらいいのかわからない。


「僕がお願いして来てもらいました。」

『どう言う事?』


ここではなんなので、と黒子は近くのストバスコートがある公園へ二人を誘った。


「どういうつもりだ、テツ。」


こんな所に連れて来て、と相変わらずの青峰に黒子はサラッととんでもない事を言った。
青峰にシュートを教えてほしいと言ったのだ。
確かに今の黒子に絶対的に足りないものは得点力だ。けれどそれをまさか青峰に教わろうと考えるなんて思ってもいなかった。


『青峰君が教えるの?』

「なんでだよ!ふざけんなよ!」


アリスでも普通のシュート程度なら教える事は出来るが、そもそも彼女もそれはあまり得意ではなかった。
もし、あの青峰のフリースタイルなシュートを教わることが出来るなら自分も教わりたい、とアリスの目が輝く。
キラキラ、ウルウルの目が二人と一匹。


「わーったよ!教えりゃいいんだろ、教えりゃ!」
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