第61章 【微エロ】【おそ松ルート】松野おそ松はしつこい
きっと、顔から耳から、体も真っ赤になってしまっている気がする。
「気持ちよくておかしくなるんだもん! へっ、変な声出るし……自分キモイし、何も考えられなくなるしっ……自分キモイし、馬鹿みたいになるっていうか……自分キモイけどっ! 気持ちよすぎて……じ、自分なのに自分の体じゃなくなっちゃう感じがして、ここここ、怖いっていうか?!……そっそんな……感じっていうか……っ! ああああぁ、そのー……えっとえっとえっと」
ほぼキモイと言ってしまっているが仕方ない。本当だもの。
おそ松からなんの反応もなくて、逃げ出したくなる。
だが今それは不可能で、ただただ俯いて相手の反応を待つしかない。
なんて辛い時間なんだ……!!
だが、今回のことは元はといえば自分が素直になれない為におそ松が出た強硬手段であり、私にも非がないわけではないだろう。
こういうことは、片方だけの問題ではなく、二人の問題だから、二人で話すべきだし、この先のことを思うとちゃんと話しておかなきゃならないことだとも思う。
どのくらい経ったのか、多分時間にしたら数十秒なんだろうけど、いつまでたってもおそ松からなんの反応もないのに不安になってきて、おずおずと顔を上げる。
「お………おそ松……? あの……」
その時、おそ松が何か言葉を発するより前に、おそ松の身体の方に変化が起きたことに気付いて、思わずその場所に視線を移してしまう。
「ちょっ……ちょっと! なんで急にっ……んむっ……!」
なんの前触れもなく急に唇を塞がれ、強く抱き締められる。
おそ松の舌が遠慮なしに口内に侵入してきて、背筋がぞくぞくとして身震いしてしまう。
「んぅ……っん……」
唇が離れ、熱い息を吐いておそ松を見ると、そこには久しぶりに見た気がする、真っ赤になって照れ臭そうに、だけどすごく嬉しそうな表情をした恋人がいて、釣られるように私も顔が赤くなるのを感じた。
「……っなんだよお! そうならそうと早く言えよっ……俺、本気で嫌がられてんのかと思って……っつか、逆に反則! 今のは完全に反則だからね! あとキモイ言いすぎっ」
わかっている。
おそらく、これを言ったらおそ松は調子にのってしまうと思って言えなかった、いや、言わなかったというのも事実だから。