第61章 【微エロ】【おそ松ルート】松野おそ松はしつこい
<ナス子side>
松野おそ松はしつこい。
それは今に始まった事じゃないけど、なんて言うか、付き合うようになってからというもの構って病が酷くなったように感じる。
「なぁ、ナス子! 俺の話聞いてる!?」
「聞いてる聞いてる」
ほぼ毎日のように押しかけてはくっついて喋って、相手にしないと拗ねる。
コイツのお陰で私の大好きなゲーム、漫画、アニメは一切堪能させてもらえない。
「……………聞いてない!」
「聞いてるって~」
まぁ、そう言ってもね……長年培ってきた私の性格だってそう簡単には変わらない訳で、やっぱりスマホには手を出しちゃうんだよねぇ。
「アイツらったら酷いんだよ~、俺長男なのに! 扱いが違うっ、普通長男相手ならもっとお兄ちゃんに優しくしてくれてもよくない?!」
「うんう……あ! レベル上がった!!」
「………オイ! 彼氏の俺が遊びに来てるんだからゲームやってんなよなぁ」
「あっ、ちょっと!!」
後ろから寄りかかってブーブー兄弟の文句言ってると思ってたのに、いきなりこっちに向いたと思ったら、拗ねモードのおそ松にまたスマホを取り上げられた。
くそ、折角レベル上がって行動力マックスまで回復したのに!
どうせ奪い返そうとしてもすぐ手の届かない位置まであげられたり、どこかにスマホを隠してしまったりと、私が疲れるのでここは大人しく話を聞く事にする。
「んもー、毎日毎日なにさ! 私にだって趣味を堪能する時間くれたっていいでしょ?! 話は聞いてるって言ったじゃん」
「いや! 絶対に聞いてなかったっ、俺なんて言ったかわかる? 言ってみろよ?」
「……………長男ならもっと、えっと……」
「ほらみろ、聞いてない!」
「う……」
「まーったく、冷たい彼女だよなぁ!!ていうかさ! お前までアイツらみたいな扱いを俺にする訳ぇ? 俺ら恋人同士だよ?! もうちょっと可愛気とか出して甘えてきてもいいと思うんだけどっ」
いきなりそんな事を言われても、正直おそ松相手にそんなに素直に甘えられる訳がない。
だって今までが今までだし。
コイツだって散々私の事をチンパンジーとかカピバラとか言ったり、女子力がないとか残念な女とか馬鹿にしてたくせに。