第32章 【R１８】危険な香りの温泉旅行　危険すぎる温泉旅行

「いや一松兄さん、ちょっとカラ松ボーイっぽいところ出ちゃってるから……」

「カラ松兄さんセクロス？！」

　自由になったナス子は、自分は何をされていたのだと思わず一瞬呆然とするが、すぐに我を取り戻し肌蹴た浴衣とたくし上げられたキャミソールを元に戻しつつ、上半身だけ起き上がる。

「も、もうっ……ちょっと皆ふざけすぎっ……これだから酔っ払いは～！」

「ナス子姉さんだってお酒飲んだでしょー？ぼく達と同じ酔っ払いじゃない……顔真っ赤だしぃ、ほら……聞こえる？心臓の音、すっごく早いよ……？」

　いつの間にか至近距離に来ていたトド松の手が、今直したばかりの浴衣の上から胸に触れる。
　ドクドクと早鐘を打つ鼓動が、手からトド松にも伝わる。
　今にも唇が触れそうな顔の距離に、その鼓動はいっそう速くなる。

「ここ……カラ松兄さんにいじられて、気持ちよかったの……？気持ちよかったんだよね？だって……あんなにエッチな声あげちゃってたんだもん……」

「っ━━━━！トド松……っ」

　容赦なく羞恥心を突かれ、ナス子の体が再びカッと熱を上昇させる。
　キッと目に力を入れてトド松を睨もうとするが、あまりの至近距離の為に焦点があわず、ついに完全にトド松と唇がくっつく。

　ただ啄ばむだけのキスが、逆に気恥ずかしい。
　トド松の身体を押し返そうとするが、やはりうまく力が入らず抵抗らしい抵抗が出来ないナス子。
　トド松はナス子の腰の後ろに手を回すと、ぐっと身体を引き寄せて自分と密着させる。