第30章 【微エロ*番外編】危険な香りの温泉旅行 売店にて弟松と
「買って来たよぉ━━━━━━━!!!」
風のように現れた十四松に驚き、二人はナス子から身体を離す。
同じくビックリしたナス子だが、同時にはっと我に返り、乱された浴衣をぐいっと胸元で押えると、般若のような形相で一松とトド松を睨みつける。
「アンタら・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・ごめん・・・・悪ふざけが過ぎた・・・」
「うん・・・僕も・・・ご、ごめんなさい・・・」
「?どうしたの?ナス子姉、怒ってる??エロ本買うことになっちゃったから?サーセン!」
心底気まずそうに俯く一松とトド松をよそに、訳がわかっていない十四松はとりあえず二人に合わせるようにして謝る。
「さいっっっあく!!!馬鹿!!どスケベ!!童貞!!死ね!!!」
フロワ中に響き渡るのではないかというぐらいの声量で二人にそう叫ぶと、ナス子は十四松の手を取りズカズカとその場から立ち去る。
てっきり反省してしばらくそこに立ってるかなと思ったのに、一松とトド松はしっかりと後を着いて来た。
「ごめんなさい!反省してる!!つい!ついね?!雰囲気に呑まれてっていうか?!許してナス子姉さん!!」
「俺も・・・ごめん・・・・・・・・なんか・・・・触りたくなっちゃって・・・・・は、反省、してる・・・」
「一松兄さんとトド松、姉さんになにかしたの━━━━━━━?!」
「十四松!!聞かなくていい!!ついてくるな━━━━━!!もう一生あそこにいろアンタらは━━━━━━━━━━!!」
「「ごめんなさぁぁぁぁぁぁい!!!」」
結局部屋の前までギャーギャーと騒ぎながら来てしまい、何事かと中から顔を出した兄松達に宥められるまで、二人はナス子に謝り続けたのであった。
「だからナニがあったの━━━━━━━━━━?!」
部屋の床に、十四松が持っていた成人向け雑誌がバサリと投げ落とされる。
今回の戦犯である。
結局、十四松だけでなく、兄松三人にも事の次第を話すことになってしまったのだが、そこからはまた別のお話。