第3章 平穏な日々に嵐はやってくる~チョロ松~
<ナス子side>
さて、優しい次男坊カラ松のお陰で無事に洗濯も片付いた。
本当自分より几帳面なんじゃないかと思うくらい綺麗に畳まれている。
いや、自分不器用すから、几帳面じゃないんですけどね。
まぁ置き土産が納得いかないが・・・服が一枚増えたと思おう。着ないと思うけど!
部屋に出しっぱなしにするのも嫌なのでとりあえず一緒に仕舞う事にした。
空いたタンスの中に適当に服を突っ込んで行く。
ギュウギュウに何段かに分けて詰め込んだ服たちはちょっと出し入れしにくくなっているが、
とにかく着れる服が増えたのでヨシとする。
不法侵入でも長男に比べ次男の不法侵入はもうどうぞどうぞという気持ちになった。
今度何かお礼をしてあげよう。鍵はあげたけども。
気分が良くなると調子がいいもので、普段からあれだけ面倒と思っていた家事でも少しならやろうという気持ちが出てくる。
普段夕食は適当な冷凍食品やらコンビニの食事を食べる事が多いが、今日はなんだかちゃんとした物を作りたくなった。
ちゃんとしてるって言っても世の奥様達がちゃんと作っているような立派なやつじゃないが。
冷蔵庫を開き食材を確認する。
……………。
「oh my got ! ガッデーム!! ちょっと待って、お待ちくださいよカミサマ・・・飲み物しかない、ですって?」
冷蔵庫の中はほぼ空で、同じく冷凍庫も何も入っていない。
「あああ・・・」
床にガクリと項垂れる。
買い物をサボっていた事が仇となった。
気づいたら何もないとかもっと早く気付くべきだろう自分!!
この部屋で餓死でもしたら誰が私を見つけてくれるんだっ
・・・・・カラ松か!
はたまた家族が連絡の取れない私を心配して発見。
『本日未明、カラカラに干からびた死体が発見されました』
ニュースになっちゃうっ!
いや、そうじゃなくて私が干からびて死ぬ前提の話ではなくて!
外に出るのは寒いしやっぱり面倒な気持ちになったが、洗濯したての服と言う装備品が今の私にはあるのだっ!