第85章 【一松ルート】松野一松の希求
例えば。
俺が死んだとして、困る奴なんかこの世にはいないだろうと断言出来る。
ニートで、根暗で、闇持ってて、すぐケツ出すし実も出そうとするし、クズだしゴミだし、燃えないから処理にだって手間がかかる。
いいとこなし。
自分で言ってて悲しくならないかって?
全然。
だって事実だからね。
覆しようのない、事実で現実なんだよ。
そういう人間もいるんだよね、世の中には。
生きてる価値のない人間っていうの?
生きてても他人に迷惑かけるだけ。生きてることが罪。
そう思いながらも一丁前に世間に向かって文句だけは言えるような奴。
関わりたくないよね、近づきたくないよね、普通はさ。
ああ、知ってるかもしれないけど、俺って六つ子なんだよね。
同じ年、同じ顔の兄弟が5人もいるんだけど、同じ顔が6つとかいらないと思わない?
つまり俺自身本当に別にいてもいなくても変わらない存在ってこと。
これは兄弟達にも言えることだけど、俺に比べればまだアイツらのほうがマシっていうか……いや、どうだろう、そこは言い切れない。
え? 何が言いたいのかって……?
ああ、話が長くてすいませんね、聞き流してくれて構わないから……全然気にしないから。
俺もね、相手が俺の話を全部聞いてくれてるなんて思ってないし。
俺だって人の話聞いてないこと多いから。
ああ、で……何が言いたいのか、だっけ?
そう……。
つまりね、この世に、この世界に、俺が存在してようといまいと、世界は廻るし、関係ないってこと。
生きていても死んでても同じ。死んでても生きてても。