第65章 【R18】【トド松ルート】残念だった人
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結局選ぶのに一時間近くかかっちゃったよ……。
借りたDVDを手に、ナス子姉の家へと急ぐ。
どれにしようか本当に迷いに迷った結果……血の繋がらない弟に犯される姉……ベタすぎるっ!
いやぁでもさぁ?
たまにはこういうベタなのもいいんじゃないかな?
ほらぁ、これ姉さんにも見せるわけだし?
初めて見るAVがあんまりハードなやつでもなんだし?
少女マンガなんかでもよくあるネタだし、これなら受け入れやすいかな~って思っただけなんだけどね?
ホントだよ?
姉弟ものばっかりを狙って探してたわけじゃないから!!
ホントだから!!
なんとなくこれからのことを考えてウキウキしちゃって、足取りも軽くなるってもの。
軽快にマンションの階段を上って、姉さんの部屋のドアを開けて中へ入っていく。
「たっだいま~! ごめんね、ナス子姉っ、ちょっとレンタルショップに━━━━━━━………」
「おかえりトド松」
ぼくを見て、笑顔で挨拶を返してくれたナス子姉の向かいには……
「おかえりトッティ!! おじゃましてマッスルゥ!!」
「おかえり……いやぁ悪いねぇ、急にナス子姉さんの顔が見たくなっちゃって……おじゃましてます」
「うはは~、ヤダなぁもう一松ぅ! 照れますな~!」
一松兄さんと十四松兄さんがいた。
一松兄さんの台詞に、ナス子姉もまんざらではない様子だ。
普段姉さんなんて呼ばない相手からたまに呼ばれると嬉しいみたい。
だが、今はそんなことはどうでもいい。
「あ、トド松、二人とも今日はウチでご飯食べて行くから、4人で一緒に食べようね!」
「…………うん、わかったよ、ナス子姉さん」
にっこりと笑顔を浮かべると、ナス子姉は嬉しそうに鼻歌を歌いながら台所へ行って食材チェックを始める。
ぼくは多分、今、ものすごい顔をしてるんだろうなぁ。
「トッティ!! その顔前もスタバァで見たね!!」
「ひひ……ご愁傷様……」
神様、ぼくの何を差し出したら、願いを叶えてくれますか?
神様、ぼくは、何を差し出してもいい。
だからお願いです。
「っ━━━━━コイツらをっ、殺して━━━━━━━っっっ!!!」