第62章 【一松ルート】デカい猫保護しました
買い物を三人で済ませ、スーパーに取り付けられた小さなテーブルに座る。
買い物をしてしまったのでそう長くはいられないが、弟の家出という事で兄であるチョロ松もさすがに黙ってはいられなかった。
飲み物を買い、一口飲むとチョロ松が口を開く。
「━━━━━で? どういう事、一松」
「は? そのままの意味だけど」
「そうじゃなくて、なんで家出したの? 僕何も知らなかったんだけど」
「言ってないからね」
兄弟の会話にナス子は口を挟むのも野暮だと思い、無言で二人を見ながらカフェオレのストローを咥えている。
「うん、今日朝しか会ってないからね。 って事は問題が起きたのはその後って事か……もしかしてあの馬鹿長男がなんかしたの?」
さすがチョロ松だ、だいたいの火の粉は長男から注がれる事を、兄弟の中でも一番の被害者であろう人物はすぐに理解した。
「そう、そいつ」
「は~、やっぱりね。 アイツは本当にロクな事しないからね、死ねばいいのにって思うよね」
「いっそ殺す? 毒盛ったりしてさぁ」
「いやいやいや、その発想はちょっとダークすぎて怖いからっ」
なるほど、これが三男と四男の会話か。などど何故か関心してしまうナス子。
今思えばこの二人がこのように、自分がいるとしても改まって会話をしている所は見た事がなかったので、若干面白さを感じる。
「ってそうじゃなくて家出! 家出の理由!! 時間ないんだから言ってよ早くっ」
「あぁ、うん……」
そして一松は朝の長男とのやりとり、午後の次男とのやり取りを三男に話した。
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