第11章 銭湯
オレたち二人しかいない風呂はやけに広く感じた。
そして静かだった。
「……ねぇ。」
一松が口を開いた。
「な!なんだ?」
「あのさ……今日の夜、このあと空いてる?」
夜?空いてるが……。
なんの用だろう。
「あ、空いてるぞ!」
「……寄りたいところあるんだけど。」
「?いいぞ。」
「ん。ありがと。」
その会話のあとは夜のことで頭がいっぱいになった。
銭湯を出ると一松がオレの手を引いてどこかへ向かい始めた。
ついた先は赤塚公園。
ここで何するんだ?
「ねね、カラ松。」
「ん?なんだ?」
「これあげる。」
そう言って一松が差し出してきたのは可愛くラッピングされた袋だった。
「……開けていいか?」
そう聞くと一松は静かに頷いた。
袋を開けると中に入っていたのはサングラスをかけた猫の絵が書いてある鏡だった。
「っ!?」
「……カラ松の趣味じゃないかもしれないけど、鏡……ずっとあげたいなって思ってたんだよね。そしたらコレ……見つけたから。」
恥ずかしいのか早口でそういう一松。
もう、全ての動作、言動が可愛い。
「ありがとう一松!大事に使わせてもらう!」
そう言うと、嬉しそうに「うん。」と言った。
その一松の顔は月の光に照らされてとても綺麗だった。
「あと……、」
「?」
「みんなの前だと冷たい態度取っちゃうけど、カラ松のこと……す……好きだからね?」
そう言う一松の顔は真っ赤で可愛い。
「あ、ああ!オレも大好きだ!」
オレは一松を抱きしめた。
「ありがと……あとさ、もうひとついい?」
「なんだ?」
「……硬いの当たってるんですケド……///」
「っ!」
いつの間にかマイサンが元気になっていた。
オレはずっと心の奥底にひめていた思いを一松に告げることにした。
「一松……抱きたい……。」
「えっ!?」
そう言うと、一松はリンゴみたいに赤い顔をして戸惑っている。
可愛いな。
「……ダメか?」
「うぅ……優しく……してね?」
「あぁ!もちろんクレバーに!そしてソフトに!抱いてやるぜハニー?」
「あ、そういうのいらないです。」
「えっ」
そんないつものような会話に戻りオレ達は自然に笑みが浮かぶ。
そして再び手を繋いでラブホへと向かう。