第5章 勢いで……②
……おれと正反対だ。
まぁ、知ってたけどね。
顔色をひとつ変えないおれを見てカラ松は声を大きくした。
「誰よりもオレ達のことを大切に思ってて!」
ん?ってことは兄弟の中の誰かだな……
おそ松兄さんかな?
「可愛くて!」
トド松か?
「猫が好きで!」
……チョロ松兄さんかな。
「一緒にいると楽しくなれる!」
十四松だな。
「オレはそんな一松が好きだ!」
ふーん……ってえ!?
「おれ!?」
「あぁ。他でもない一松が好きなんだ。」
まじかよ……。
ってこれ両思い?
まじかー……。
「……一松の気持ちを聞かせてくれないか?」
……そうだよね。
カラ松にだけ言わせるのは卑怯だよね。
「一回しか言わないからちゃんと聞いとけよ。」
「あぁ。聞いてるさ。」
「おれは……かっこよくて、頼りになって優しくて……」
頬を生暖かいものが伝う。
「そんなカラ松が好き。」
「一松っ!」
カラ松に抱きしめられる。
「ありがとう……嬉しい……」
カラ松の目からも涙が溢れている。
おれはそのカラ松の背中に手を回し抱きしめ返す。
「夢みたいだ……」
おれだってそうだよ。
両思いになれるなんて思ってなかったもん……。
「ただいまー!」
「「!?」」
「あれ?一松兄さんとカラ松兄さん何やってんの?」
「いや、ちょっとストレッチをな……」
「そ……そうそう!」
「ふーん。」
危なかった……。
タイミング悪過ぎだって……
……あのまま誰も帰ってこなかったらどうなってたんだろう。