第36章 その頃のおそチョロ
ー釣り堀ー
「僕もおそ松兄さんのこと好きだよ。」
ふと聞こえてきたおそ松兄さんが僕のことを好きだという情報。
それが本当かどうかなんて知らないけど、その言葉を聞いた瞬間、僕の想いを兄さんに知ってもらいたくなった。
「え、マジ?」
おそ松兄さんは柄にもなく、真面目な顔をして僕の目を真っ直ぐに見つめている。
これは……どっちだろう。
アリか、ナシか。
わかんない。
「……マジだよ。好き。おそ松兄さんの事が。」
振るなら振って。
ちゃんと。じゃないときっと諦められない。
そんなネガティブなことを考えている僕は、おそ松兄さんが頭の中で奇声をあげていることなど知らなかった。
「チョロ松……もっかい。もっかい言って。」
「……好きだよ。おそ松兄さん。」
そう告げると真面目な顔をしていたおそ松兄さんの顔がみるみるうちに赤く染まった。
「……も。」
「え?」
「俺も、チョロ松の事……好き……」
ポタリと地面にシミができる。
そのシミはだんだんと増えていく。
「好きだよ。チョロ松。」
そう言って微笑んだ兄さんの瞳からは透明な涙が溢れていた。