第18章 二人暮し(仮)
振り向くとそこにはおれの最も愛しい人の姿があった。
「一松!大丈夫か?」
そう言っておれの顔を覗き込むカラ松。
おれの瞳に映るカラ松は額に汗をかいていた。
汗かいてまで、ぼくのために……。
……やっぱりダメだ。言わなきゃ。
「ねぇカラ松。」
「なんだいちm」
「別れよう?」
「えっ!?」
そんなおれの言葉にカラ松は驚いて言葉を一瞬失った。
そのあと急に慌て始めた。
「ど、どうしてだ!?一松!」
「……おれみたいなゴミがこんな幸せになっちゃいけないんだよ。」
「っ!あいつらの話信じてるのか!?」
「信じるも何も、事実だもん。高校一年のとき、ぼくの親友が事故にあった。それから少しして、仲良くなった女の子が自殺。担任の先生は誰かの濡れ衣を着せられて退職。ぼくに関わった人はみんな不幸になったんだから。」
「っ!そんなの!偶然かもしれないだろう!?」
「……そうかもね。だけど、偶然とも言いきれない。」
いつの間にかぼくの頬を伝う涙は止まっていた。
ぼくはカラ松の目をまっすぐと見つめた。
「ぼくはカラ松に幸せになって欲しいの。だから……別れよう?」
「……一松は別れたいのか?」
……別れたくないよ。だけど、カラ松が幸せになるにはそれしか方法がない。
ぼくとカラ松の幸せだったらぼくは悩まずにカラ松の幸せをとるよ。
「……うん。別れたい。」
涙が出そうなのを必死にこらえる。
「……そうか。ごめんな。帰ろう。一松」
カラ松はおれの腕を掴んで歩き出した。