第3章 開き直られました
※R18
ベッドがギシッと揺れる。
私は唇を噛みしめ、シーツを握りしめ必死に耐えた。
「い、……い……」
その先を言おうとして、口をつぐんだが、
「ハルカ……いいよ。無理をしないで、痛いなら痛いって言って。
君を痛がらせてるのは僕なんだから」
「……ん……大丈夫、です……」
「ほら、そういう風に気を遣う。優しい子だな、君は……」
頬に手を当て、深いキス。
緊張と初めての痛みで、ガッチガチの処女相手だというのに、スティーブンさんも優しい。
いや、もう処女じゃないか。
私たちは今、一つになっている。
といっても、ここまで来るのには、それなりに時間を要した。
スティーブンさんは破瓜の痛みに泣く私を慰め、緊張を解くために濃密な愛撫を施し、耳元で愛をささやき、じりじりと腰を進め……最後まで入った。
それでも、本当に喪失したんだと分かったときは呆然とした。
そんな私の顔を見て、『いじめたくなる顔をしないでくれ』とスティーブンさんは笑ってたっけ。
いやどんな顔だよ。
でも、お注射の痛みは継続中。
これ以上泣きわめいて、子供だ面倒だと思われたくないから頑張ってる。
「スティーブンさん……もっと、いっぱい、キス、して……」
「うん。心配しなくても、君が落ち着くまで動かないから」
……バレてるし。
「私、スティーブンさんにも、気持ち良くなって、ほしいです……」
そう言うと、『ありがとう』と笑ってくれる。でも緩やかに腰を動かされると、やっぱり圧迫感で、身体が固くなる。
「僕が今、好き勝手に動けば君を傷つける。そうしたら、君はセックスを気持ちいいものだと思えなくなる。それが嫌なんだ」
そう言われて、泣きそうなのをグッと抑える。
ヘルサレムズ・ロットをさ迷って、変態に追いかけられたり、娼館の『女の子募集中!』看板に傾きかけたり。
今だってスティーブンさんの心変わり一つで、私がこの先どうなるか分からない。
でも『最初』がスティーブンさんで良かった。
「スティーブンさん……大好き……」
首筋に抱きつき、タトゥーに口づけた。
「僕もだ。最高に可愛いよ、ハルカ。君を見つけられて……本当に良かった」
たくましい腕に抱きしめられ深いキスをされる。
大好き。この人が、大好きだ。