第4章 ちうパニック(食満留三郎)
草葉の影から。
「……なんだ、終わりか?」
「みんな覗きだなんて、趣味悪いよ。」
「楽しそうについてきたくせに何を言う。」
「ふん!下らん。何故俺まで……」
「なぁなぁ、あそこはやっぱりちゅーすべきだったんじゃないか?」
「そうだな……私ならそうする。」
「せ、仙蔵お前……」
「モソ……すべきだ。」
「長次!?お前まで!?」
「そうだよね。だけどもしかして、留三郎に僕たちのことバレてる……ってことない?」
「もしそうなら……まずいな。」
「本当に忍術学園壊れるんじゃないか?」
「よし、頼んだぞ文次郎。」
「なんで俺が!?」
「頼りにしてるよ文次郎。保健委員総出で迎えるから。」
「おい、人の話を聞け!怪我すること前提なのか!」
「モソモソ…」
「ん?なんだ?長次。」
「モソ……椿に付いてたあれ……本当に虫刺されだと思っているのか?」
「虫刺され……だろ?伊作。」
「いや、僕が見たわけじゃないから……え……い、いやだなぁ長次。」
「………」
「……ちょ…じ…?」
「……ふっ」
「(な、何故笑う!?)」
「(怖い!それ怖い!)」
「………」
し………ん………
「モソ……冗談だ。」
「(お前が言うと冗談に聞こえないんだよ!)」
「(学園が壊れるどころじゃなくなるんだよ!)」
「(死人が出るとこだった…)」
「はは、長次面白いなぁ!」
「面白くないわ!!」
━ちうパニック 完━