第8章 特訓
ワカバの場合
「私達虫タイプのポケモンの多くがこの糸を吐くと言う技を覚えるけど、これは使い方によっては武器になるし、美しく魅せることもできるの」
「そうなの?」
「そう。まず君がやることは、糸を自在に操れるようになること」
「糸を?」
「うん。まずはあの的に向かって。百発百中になったら今度はもっと遠いとこから、更に慣れたら次は動いている的を狙うの。出来る?」
「うん!」
ワカバの担当は同じ虫タイプのソンファ。バトルもコンテストも自在にこなす彼女は、まずワカバの糸を吐くの精度を上げることにしたらしい。
そして、マーブルはと言うと...
「マー君はまず、火の粉の精度を上げよう」
「よ、よろしくお願いします」
マーブルの担当は首に水色のリボンを巻いたリザードン。
...と言うか、フェリポケ炎タイプ御三家全員が集まっている。
もちろん、フィアンナも例外ではない。
「...マーブル、そんな畏まらなくても...,」
「仕方ねぇだろ、フィー以外デカイ奴ばっかなんだからよ」
「それガレットにも言えるじゃん!」
「二人共うるさい!私達は今回は見学!特攻鍛えるんだったらスピカに任せようってさっき決めたじゃん!」
「「ごめんなさい」」
フィアンナに怒られ、即座に謝るガレットとヒマワリ。
スピカというのが、彼らの目の前にいるリザードンである。
「フィー姉、ヒマちゃん、ガレ兄、何かあったらフォローお願いね。後マー君、敬語要らないからね。じゃあ、始めるよ」
「は、じゃなかった、うん!」
御三家の面倒はなるべく御三家が見る。これはフェリポケの暗黙の了解だった。
「さっきのバトル見てて思ったんだけど、マー君の火の粉、もうちょっとパワーアップできれば火炎放射になると思うよ」
「確かに、もうちょい火力が上がれば火炎放射になるだろうな」
「基礎が元々出来てたからね」
「てゆーかさ、マーブルの素早さなら、燕返しとかも覚えられそうな気がするんだけど」
「「「確かに」」」
「とりあえずは火力アップ、余裕が出来たら燕返しの練習ってとこかな」
「そうとわかれば特訓開始だね!やるよ、マーブル!」
「うん!」