第3章 前途多難な恋
俺はジャローダ。精市のポケモンだ。
精市とは俺がまだツタージャだった頃に出会った。
俺は女顔がコンプレックスだったが、当時10歳だった精市も同じ位の女顔だったからとても驚いたのを覚えている。
精市は女顔だったが、人間でいうイケメンの部類に入るらしくよくいろんな人間の女に付きまとわれていた。俺も同じく、様々な♀ポケモンに言い寄られていた。
だが、どんなに綺麗な♀や女が言い寄ってきても、精市も俺も決して靡かなかった。言い寄ってくる女共は俺達の外見しか見てないような奴らだったし、何より、強くなることを目標にしていた俺達はそんなのに構ってる暇なんてなかった。
...なかったはずなんだ。
彼女と出会うまでは。
あの日、俺と精市は学園の屋上庭園にいた。
ここの庭園は精市が学園の許可を貰い、ほぼ1人で(もちろん、俺達も手伝った)造り上げた場所で、今や学園の人気スポットになっている。
その庭園に、彼女はいた。
「ここの庭園綺麗ね、ねぇローズマリー?」
「ジャロ、ジャロジャーロ」(本当に、とても綺麗ですわね)
つい先日、遠くカロスからやって来たというフェリシアという女子と彼女のポケモンであろうジャローダが。
ローズマリーと呼ばれたジャローダは同族の中でも美人に分類される位綺麗で、中でも目を引くのは水色の瞳だった。本来のジャローダの目は朱色のはずだったから余計に目立っていた。