第10章 体育祭の時間。
お昼休憩に入る。
私は学秀と中庭のベンチに座る。
『じゃーん!』
学秀『これは…まさか手作りか?』
『そうだよ!給仕の使用人さんに学秀の好きなモノ聞いたんだ!味付けは私の好みだから…口に合うかわからないけど…。』
学秀『いや、嬉しい。頂くとしよう。』
学秀はたまご焼きを口に運ぶ。
学秀『美味い…。僕に美味いと言わせるとはな。』
『お世辞でも嬉しいよ!』
学秀『僕は世辞は言わない。……ありがとう。』
『……。良かった。嬉しい…。』赤く頬を染めるまぁは謙遜しながら言ってはいるものの、元令嬢である彼女は、料理はもちろんのこと、その他にも様々な事に取り組んできていたはずだ。
もし、僕の使用人になっていなければ、そのまま見合い結婚をして、僕とは出会うことすらなかっただろう。
まぁにとって幸か不幸かは分からないが、僕は、彼女と出会えた事を幸せと感じていた。