第2章 黒の微笑み
大学生である紗耶はカフェでバイトをしながら大学へ通っている
「お待たせ致しました。エスプレッソです」
いつものようにコーヒーを運ぶ紗耶
「ありがとう。君の作るコーヒーは本当に美味しいよ」
カフェの常連客であるスーツ姿の男が今日も来ていた
「ありがとうございます。」
黒崎は20代で会社勤めをしていると以前話しており、それ以来ずっと紗耶のコーヒーを飲みに来ている
カランカラン――――――
「いらっしゃいませー…先輩っ!」
紗耶のバイト先へやってきたのはサークルの先輩である中嶋だった
「よ!ちゃんとバイトしてるか見に来た」
サークル内では兄のような存在でいつも親しくしてくれている
「じゃ、カフェオレください」
「はい」
紗耶は慣れた手つきでカフェオレを作っていく
「お待たせしました。カフェオレです」
「ありがとう。本当にお前作るの上手いよな」
「ありがとうございます。」
中嶋に褒められ素直に照れる紗耶
「すいませーん」
「はーい」
紗耶は支払いをしようとレジ前に立つ黒崎の元へ行く
「あれは彼氏?」
「い、いえ!違いますよ!サークルの先輩です」
「へー、いい感じだと思ったんだけどなー?」
「ちょ…からかわないでくださいよー」
「ふふ、可愛い。ごちそうさま。また来るよ」
「はーい。ありがとうございました」
そうして黒崎を見送り片付けを始めた
「お疲れさま。もうすぐ上がるでしょ?」
後から声をかけてきたのはカフェの店長である佐々木だった
佐々木は40代前半のかなりハンサムでありとても40代には見えない
「よーく仕事してくれるから助かるよ」
「いえ、コーヒー作るの楽しいですし。お客さんとも話しててとても楽しいですから」
「本当に君は真面目でいい子だね。また明日もお願いします」
「いえ、こちらこそです。じゃあこの片付けが終わったらお先に失礼します」
「はーい」