第24章 *ラクガキ*〜宮地清志〜
宮地side
昼休み。
特に誰かと食べる約束をしてる訳じゃ無かったから、何と無く香奈と食べようと思った。
だけど、教室には既にいなかった。
俺は香奈の行きそうな場所をいくつか探して、最後に屋上に入った。
「香奈ー。いるかー?」
と、声を出してから気づく。
他の女子と食べてたら、俺完全に邪魔だよな…。
でも、返事もないしとりあえず一人で食べようとしたら、どこからか「ん…」という声が聞こえた。
声の聞こえた方へ行って見ると、入り口からは見えない場所に、香奈はいた。
「香奈ー。」
ノートに突っ伏すようにしてて、自分もうつ伏せになっている香奈。
何のノートだ、これ…
俺は、興味本位でノートを覗いて見た。
「はぁっ!?これ…っ」
そこには、朝俺らが教室に入った時に見た、黒板の落書きの一部である相合傘が書いてあった。
俺ら二人の名前も。
「っ…意識してたのかよ…。」
…ん?
意識?
それって、つまり…
「…起きろ。」
「…んぅ…」
起きないなら、起こすまでだな。
俺は、そっと香奈の左頬に唇を重ねた。
「んん…きよ、し…?って、いいい今何して…!?」
「香奈…好きだ。中一ん時から好きだった。…悪りぃ、もっと早く言えなくて。」
「…わ、私も、清志が好き。中一の時からだから…一緒だね。」
二人で笑いあって、
俺達は、そっとキスをした。
*ラクガキ*
『幼馴染』から『恋人』になれたのは、
きっと、
このラクガキのおかげです。