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Sweet Love*

第24章 *ラクガキ*〜宮地清志〜


香奈side


私には、好きな人がいる。

その人とは幼馴染で、小さい頃から仲が良くて、でも、いつまでも『幼馴染』のままで。

それでもやっぱり諦められなくて、中一の時からずっと好き。

私は、どう思われているんだろう…?


「香奈!おっせーよ!轢くぞ!」


「もー、清志怖いってー。もう準備できたから!行こう?」


朝、私の家に清志の声が響く。
清志は私の幼馴染。

でも、実をいうと私は清志に片思い中。
…多分これからも幼馴染のままだけど。


「乗れよ。」


「うん。」


今日も清志の自転車で、二人乗りをして登校する。
私はこの時間が一番幸せ。
だって、清志に抱き付いてられるから。


「いつもごめんね。」


「あ?…ありがとうの間違いだろ。轢くぞ?」


「うっ…。
…ありがとう、清志。」


なんだかんだ言って優しい清志が、私は大好きだ。
まだ伝えれないけど…。

…学校に着いて教室のドアを開けると、黒板にはまた、カラフルな言葉でいろいろと書き込まれていた。


「あ、来たよ皆!」


「おー、マジだ!今日もラブラブだね〜」


「超お似合い〜」


「てめぇらまたかよ…いい加減刺すぞ!」


清志の悪口がレベルアップするのも分かる。
黒板には、

『宮地と遠野お似合いカップル』

という文字や、

『毎日一緒に登校』

という文字が書かれていたから。
そして毎日、これを消すのは清志。


「はぁ…」


「私も消すの手伝うよ?」


「これくらい一人でできるっつの。」


そう言って、綺麗に黒板を消していく清志。
私が少しの間見つめていた、相合傘の中の『宮地清志』『遠野香奈』の文字も消されてしまった。


「そう?一人じゃ大変だよ?」


「ったく、心配性だなお前は。」


頭の上に手が来て、グーで軽く殴られるのかと思ったら、わしゃわしゃと撫でられた。


「き…清志っ!」


「いーから黙ってろ。じゃねーと轢く。」


右手で黒板を消しつつ、左手で撫でられる。
清志に触れられてると思うとドキドキした。
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