第18章 *瞬間恋愛*〜宮地清志〜
宮地side
それは、ある冬の日の事だった。
「岩手から転校してきましたっ!遠野 香奈です!よろしくお願いしまーす!」
俺のクラスに、高尾並のテンションの女子が転校してきた。
変な奴、と思ったけど、俺は気づけば目で追っていた。
遠野は、俺の斜め前の席だった。
隣の男子に笑顔で挨拶して、次は前の二人にも声をかけていた。
その笑顔を後ろから見ていると、遠野はくるっと振り向いてこっちを見た。
「名前、なんていうの?」
「名前?…宮地清志。」
「宮地君かー!よろしくっ!」
ニコッと笑ったその顔は、確かに俺に向けられたものだった。
変な奴。
無駄にテンション高くて、ヘラヘラしてて、よく喋って。
そう思うのとは反対に、こいつの誰にでも向ける笑顔に、ドキドキしてる俺がいた。