第15章 *優柔不断*〜黒子テツヤ〜
『パタン』
「っ!?」
突然、黒子君が本を閉じた。
それだけで私は、過剰反応してしまった。
黒子君、本読み終わったのかな?
あれ、でも、さっきまでまだ半分以上ページ残ってたような…
「香奈さん。」
「えっ!?な、何?」
いつも通りに接せれない私を、黒子君がジッと見つめる。
「いえ、さっきからずっとこちらを見ていたので…。どうかしましたか?」
「へ?…き、気のせいじゃない?」
「…そうですか。」
何とか誤魔化したけど、黒子君は未だに読書を始めず、私を見てクスッと笑った。
「分かりやすいですね。」
「なっ…////」
私が誤魔化せたつもりでも、黒子君にはバレていたらしい。
「大丈夫ですよ。
…意識していたのは、僕もですから。」
ドキン、と胸が高鳴って、顔が熱くなる。
…黒子君も…
「…二人っきり、ですね。」
「うん…」
黒「誰も、いないですね。」
「そうだね…。」
「…キスしていいですか?」
「いいよ…ってええっ!?////」
真顔でさらっと言うから、ついいいよと言ってしまった。
いくら人がいないからって、唐突すぎる。
「ありがとうございます。」
「ちょっ、ちょっと待って!!確かにいいとは言っちゃったけど!!」
少しずつ近づいたきた黒子君の肩をグッと押す。
すると、黒子君はムッとした顔で、
「…僕とするのは嫌ですか?」
と聞いてきた。
「っ…嫌ってわけじゃ…ないけど…は、恥ずかしい…////」
まだ恥ずかしいけど、何もないままこの時間が過ぎるのは嫌。
矛盾した感情を抱いて、どうしようかと考え込んでいると、
『チュッ』
唇に、何かが触れた。
少しの間そのままで、離れる。
「考えているようでは、遅いですよ。」
「っ////」
*優柔不断*
優柔不断な私には、
回答権なんて、
最初から無かったのかもしれない。