第15章 *優柔不断*〜黒子テツヤ〜
香奈side
「黒子君ー!図書室行こっ!」
中休み、授業が終わると同時に、私は隣のクラスの彼氏、黒子テツヤ君に声をかけた。
「はい。」
優しい笑顔で微笑んで、黒子君は私の手を自然に引いた。
黒子君と付き合い始めたのは、極最近。
クラスが隣な事もあり、それまでも何回か会ってはいたんだろうけど、私が黒子君を初めて見たのは、図書室に本を借りに行った時だった。
その日から、何回か中休みに図書室に行くと、必ず彼はそこにいた。
気になって、毎日図書室に通ううち、少しずつ話す回数も多くなって、私は黒子君の事が好きになっていった。
告白は、黒子君からだった。
それからも、私達は中休みに図書室へ行くのが習慣になっていた。
前と違うのは、黒子君が…手を繋いでくれるという事。
「…何かいい事でもありましたか?」
「へっ?」
「さっきからずっと笑っていたので…」
「本当?いや、何か…幸せだなって。」
「僕もです。」
そんな事を話しているうちに、あっという間に図書室に着いた。
黒子君がドアを開けるけど、いつも通りそこには誰もいない。
「あれ…図書委員は?」
だけど、そこには図書委員さえもいなかった。
「そういえば、今日は図書委員が集まって会議をするので、本の貸し出しはできないと先生が言っていました。」
「そうなんだ…。でも、入れてよかった。」
という事は、二人っきりか…
…二人っきり、なんだよね////
いつもの席に座って、二人で本を読む。
「…」
「…」
今までこんな事なかったから、緊張する…////
ちらっと横目で隣を見ると、黒子君の横顔が目に入った。
いつも本読んでるから気にならないけど、結構近いんだな…////
「////」
隣ってだけなのに、心臓の動きが早まって、顔が熱くなる。
この時間が、終わらなければいいのに…